各所で活躍しているINST/DMが加入し運営している「日本安全潜水教育協会」(JCUE)に私も所属しているが、このJCUEのメーリングリストに「残圧計がぶっ飛ぶ」というような内容の話が先週投稿されてきた。(07’7月)
ちょうど、春先に残圧計は「ぶっ飛ばない」と書いたときに機会があれば続きを!
と書いたので、ここに書くことにした。
投稿を見ていて、この会にはかなり古手の実力者も多いので、昔の器材の仕組みなども解説がされ
経験談などが細かく紹介されていて、残圧計がぶっ飛んだという内容があった。
確かに古い方々の経験談は貴重な意見でとても参考になりますが、「○○がぶっ飛んだ」という表現には多少自慢?と誇大な表現がありがちです。
確かにそのときの印象は、飛んだ!のでしょうが、実際にはそんなに吹き飛ぶわけも無く、伝承するうちに 「ぶっ飛んだ」という伝説になり、伝え聞いた若い方々が受け売りしてしまうのは怖いです。
(確かに大昔”のものは飛ぶものもありましたが・・・)
若いインストやダイバーに不安や誤解を持って欲しくないので、私見を書きます。
「残圧計が外れ飛ぶ」といわれる理由と原因は以下のようなものによります。
@〔HPホース途中部分から千切れる。〕
A〔ホースのカシメ部分から切れる。〕
@Aの原因はHPホースの傷みや劣化が原因ですが、現在は本来の高圧に適した細めでやや硬いホースと、中圧ホースに似た太さの従来からのホースが使われていますが、どちらもダイビング器材として使う場合にはかなり過酷な使い方がされています。
ほとんどの方が器材セットから終了までに、地面に「ポコッ」と置いたり落としたりしている上、ボートに積み込んだりタンクにセットしたまま置いたりして、ホースやゲージにかなりの負担をかけています。
圧力の掛かったホースを無理にまげてしまったりすることが一番傷みます、ですから、ボート上などでは必ず残圧チェックの後圧を抜いているのです。
特に高圧ホースは200kg以上の圧力を測る器材のわりには扱いが雑なのです。
本来ホース類はメーカーでも2−3年で(使用状況によって)交換するよう指導しているにもかかわらず、交換しない人がほとんどです。
器材をオーバーホールに出せばホースの傷みもある程度分かりますが、それもしない方がいます。
ゲージのオーバーホール時にはジョイント部分のステムとOリングの交換やホースの点検等を行います。 さらに言えばホース交換やオーバーホールは本来プロといわれるDMやINST・ガイドが、率先してやるものなのですが、傾向的に一般ダイバーのほうがしっかりメンテナンスをやっています。
プロ”といわれる人のほうが使用頻度のわりには粗雑な感があります。
さらに、ゲージは防護カバー(ゲージカバー)をつけていることが、ホースの劣化を増長させる事も多いです、水抜けが悪く、カバー内で目視できないので「カシメ」部分のホースにひびや劣化でボロボロになっているものも多いです。
ただ、このホースも表面は被服ゴムですから中の傷み状態は分かりません、ホース表面のピンホールから細かい泡の漏れが出たり一部が膨れだすとだれにでも分かりますが・・。
B〔ホース先端のナットから残圧計が外れる。〕
これについてはメンテナンスで分かりますが、これもカバーが付いているゆえに
目に見えません、 特にゲージのスィベル機構とナットの緩みは判別が付きません。
C〔残圧計ケースとホース取り付け部ネジが外れる。〕
これは、ゲージを持ってみて重く感じるタイプの、真鍮ケースブルドン管式のゲージには
ありません。
ケースが樹脂のタイプ(持ってみて軽く感じるゲージ)スパイラル管タイプに
おこるかもしれません。
樹脂のケースに螺子きりをしてそこにホースとの連結部分(真鍮オスオスねじ)をねじ込んでいます、その樹脂のねじ部にひびが入ったり割れたりする事は良く有ります。
レギ取り付けでゲージをポトッと落としていたり、ボート上で踏まれたりで、この部分への負担は結構シビアです。
「残圧計が飛ぶ」という現象はこのタイプが多いかもしれません。
D〔安全弁かレンズが飛ぶ!〕
これに関しては前回も書きましたが、現在ゲージは安全弁付のものと無しのものが使われていますがどちらもガラスが割れたり「ぶっ飛んだりは」しません。
安全弁無しのものも(例えばスキューバプロ社のコンパクトゲージなど)前面レンズ部分が持ち上がりエアーが漏れるようになっており、レンズが飛ぶことはありません。
もちろん、安全弁付はゲージ後面や側面などからエアーが吹きます。
そのようなことから、セット時もエントリー前もキチット残圧計の針は見るべきです。
いずれの原因にしても、過剰に「ぶっ飛ぶ印象をINSTが持つことは講習生にとってもよくないと思いますし、何より水中で使う器材のメンテナンスや使用法にもっと気を使うべきです。
◎おまけ〔もし外れ飛んだら〕
ちなみに、「ぶっ飛んだ場合」どのくらい飛ぶのかを説明すると、今の器材はレギのHPポートも
HPホースも取り付け部の穴はピンホールになっていますから、飛ぶ力としてはホース内圧力で
飛ぶに過ぎないのです。
例えばタンクを倒したりして、バルブが破損して飛んだらそれこそ大事故になりますが、
ホース内圧力で飛ぶのは微々たる物です、といっても頭にでも当たればこぶが出来るでしょうが・・・。
実際、INSTの中にも勘違いをしている方が居て、HPホースが外れた場合すごい勢いでホース
が暴れまくり 危険だ!という意見も有りましたが、
本当はLPホースのほうが危険で陸上で2NDが外れたら すごい勢いでホースが暴れ顔など殴られる危険がありますし、水中だったら更に泡で周りが何も見えない状態になります。
さらに、LP(中圧)の場合はあっという間に残圧が減りますので慌てますが、
HP(高圧)の方はほとんど暴れません。 エアーも一気には無くなりはしません。
但し、いずれの場合も直ちに「緊急浮上」するこには間違いありません!!
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